看護学生アドバイザーかずです。
今回は要望の多かった小児実習アセスメントのコツについて
解説していきたいと思います。
筆者自身小児分野での仕事はほぼないので
実習の体験を元に解説していきたいと思います。
目次
小児看護について
小児看護とは、乳児期から思春期までのいろいろな発達段階にある子どもとその家族を対象にし、
人間として尊重され、その人らしく生活できるように、成長発達段階や健康のレベルに
応じた看護を実践することを目的としています。
ここで大事なのは小児看護での対象は子どもだけでなく家族もケアには欠かせない
重要な対象だということです。
さらに発達段階に応じた看護が必要ということも小児看護では大切です。
小児看護で大切なポイント
①子どもだけでなく家族を含めた看護を意識する。
成人看護とは違い小児看護は、受ける治療の選択や意思決定は親権者である家族の協力が必要不可欠です。
意思決定における不安・悩み・恐怖などを良き共感者として聞くなどコミュニケーションを通して
家族に適切な指導をすることが大切です。
子どもと家族の時間も大切なので自分ばかりが介入しすぎないように
注意しましょう!
②遊びを通したコミュニケーションを行う。
子どもと一緒に遊ぶことで信頼関係を築きやすいだけでなく、子どもの成長には遊びは大切な要素です。
遊びを通してストレスの軽減や心理的緊張から解放されるなど子供にとって様々な良い要素があります。
筆者は実習で家族の方などから好きなおもちゃ、キャラクターなどを情報収集して
遊びに取り入れると良好なコミュニケーションを少しずつとれるようになっていきました。
遊びで重要なことは自分自身も楽しみながらやることが重要です。
③発達段階に合わせたかかわりを意識しましょう。
人間にはライフサイクルというものが8段階に分かれるとエリクソンさんという方が
説明しています。
具体的には下記の表に簡易的にまとめてみました。
発達段階 | 年齢 |
乳児期 | 0歳~1歳半 |
幼児前期 | 1歳半~3歳 |
幼児後期(遊戯期) | 3歳~6歳 |
学童期 | 6歳~13歳ごろ |
青年期(思春期) | 13歳ごろ~22歳 |
成人期(初期成人期) | 22歳~40歳 |
壮年期 | 40歳~65歳 |
老年期 | 65歳~ |
このような8段階のステージに分かれていますが今回は小児看護についてなので
0~成人までのライフステージの特徴について説明していきたいと思います。
①乳児期
・発達課題=基本的信頼感VS不信
・獲得=希望
・子どもの泣き方の少しの違いや子どもの反応を読み取り、子どもの欲求を満たすことで信頼の獲得につなげていきましょう。
・子どもに対して、ていねいに優しく、語りかけるようにかかわることで、安心につなげるように意識していきましょう。
②幼児前期
・発達課題=自律性VS恥や疑惑
・獲得=意思
・子どもが発する言葉に対して聞き流したりせずに子どもが「聞いてもらえた」と感じられる対応をすること。
・認めてほめてあげるようにかかわることが大切です。
・子どもに恥、失敗体験、批判を感じさせることは言わないように意識する。
③幼児後期
・発達課題=積極性VS罪悪感
・獲得=目的
・子どもの質問に答えるだけでなく質問を返し、会話を膨らませ、子ども自身が考えられるようにする。
・自信を無くすような発言はしない。
・励ましと期待を伝えることで、やる気を引き出す。
④学童期
・発達課題=勤勉性VS劣等感
・獲得=有能感(自己効力感)
・表情や距離のとり方など、非言語的なコミュニケーションをとらえるように意識する。
・質問に対しての親身に子どもとしっかり向き合う。
・話す場所、内容、時間を考慮する。
⑤青年期
・発達課題=アイデンティティの確立VSアイデンティティの拡散
・獲得=忠誠(帰属感)
・素っ気ない態度やイヤイヤ話すような態度を示すことがあるため、場所やタイミングを見計らう。
・プライバシーへの配慮が重要となる。
小児看護のアセスメントのポイント
さて、ここからは本題の小児看護のアセスメント編です。
親・家族との分離不安の有無を確認する。
入院直後の患児は、不慣れな環境に大きな不安やストレスを抱えています。さらに、検査や処置、などにより、ストレスが大きくなることもあります。看護師は患児の不安やストレスを取り除いてあげなければいけません。
■親・家族との分離不安
入院直後はほとんどの場合で分離不安が起こります。分離不安は「第一期」「第二期」「第三期」に分けられます。
親や家族を求めて、面会時には泣き叫び、しがみついて離しません。第二期(約1週間~1か月)環境に慣れてきて落ち着きを取り戻し、看護師の声かけにも素直に応じます。しかし、親や家族を求める気持ちは続いているので、患児によっては第一期と変わりなく、面会時には泣き叫び、離さないといった行動をとる患児もいます。第三期(約1か月~)笑顔が出てきて自ら他者と話したり遊んだりと、精神が安定します。しかし、面会時には親や家族を拒否したり、関心を示さなくなるなど、態度が急変することがあります。
不安・ストレスによる行動反応の有無を確認しよう。
小児は精神的な不安やストレスに対して、さまざまな行動反応を起こすことがあります。
どんな行動反応を起こすかは下記に簡単にまとめておくので参考にしてください。
感情の発現:ひたすら泣く
うつ的反応:発声・発語の低下、反応低下、欲求低下
過度の依存:一人で いることを嫌う
拒否的行動:親・大人を拒む
攻撃的行動:つばを吐く、物を投げる、叩く
退行現象:排泄機能の退行
習癖の出現:指しゃぶり、
不安・ストレスへの対応
会話や遊びを通してコミュニケーションを行うことが重要です。
遊びを通したコミュニケーションの重要性について
患児とコミュニケーションをとる最も良い方法が“遊び”です。一緒に楽しく遊ぶことが大切です。子供の立場に立って自ら楽しむことが、遊びを通すコミュニケーションの上で最も重要なポイントとなります。
危険因子の排除
病状によっては危ない行為、控えるべき行為が存在します。小児の事故は非常に多いため、危険となりうる可能性のある物(事)は、最大限に規制してください。
コメント
お世話になっております。拝見させて頂きました。
小児科で働いていた事がありますが、その年代によって本当に対応に違いがありますよね💦
何より、小児科は付き添い側の人の方がナーバスになっている事が多く、保護者様への気遣いの方が大変だった記憶が多いです。
これから小児科の実習なんかも入ってきますが、とても参考になります。
いつも、ありがとうございます。