【現役看護師が教える】実習のアセスメント~急性期・手術編~

アセスメント系

こんにちはかずです。

実習のアセスメント難しいですよね。しんどい思いもたくさんしました。

なので、今回もアセスメントと実習のコツについて書きます。

今までに精神の実習編はしたのですが、展開が早くてとても難しい

成人看護学実習のコツ 急性期のアセスメントの視点

についてお話していきたいと思います。

めっちゃ量多いですし、心してかかってください。

事前学習にも使えます!

ほかにもアセスメントについてまとめた記事もあるので、ぜひ参照してください。

【現役看護師が教える】実習のアセスメントのコツ~精神看護学編~ | 看護学生アドバイザーかず
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先にアセスメントのコツの結論書いておきます。

・超急性期の基本(術後出血・縫合不全・術後感染)
・術式の違い(開腹術・腹腔鏡手術)
・麻酔の副作用(全身麻酔・硬膜外麻酔)
・既往歴・現病歴の解剖生理

急性期看護とは

急性期と聞いて生き生きする人もいれば

うわぁーしんどい。大変そうやなあと思う人もいると思います。

ちなみに僕は今急性期病棟で働いてますが、正直あんまり好きではないです。

実習でもしんどいと思う人もいると思います。

なぜしんどいかというとめちゃくちゃ展開が早いです

手術後の患者なんて、1、2分程度でバイタルサインも崩れることもあります。

急性期の定義とはなんなのか、辞書によると

急性期とは、症状が急激に現れる時期のことである。
わからないっていう人は僕なりに要約します。
バイタルサインが崩れやすい時期で生命が不安定な状態
手術後や病気になった人は、ホメオスタシスが崩れてます。
すなわち体を一定に保つことが難しくなっています
その為、バイタルサインの変化もとても急激なので、観察項目も日にちごとに変化していきます。
超急性期は72時間で丸3日と言われてます。
その為、術後を受け持った人は術後3日までバイタルサインと観察項目は変化すると思ってください。
では、どのようなことを超急性期に見ていくのか次に、教えていきます。

超急性期のアセスメントのコツ

さて、超急性期のアセスメントのコツは、

・術後出血
・縫合不全
・術後感染
の三つは必ず押さえてください。それぞれ見ていきましょう。

術後出血(術後24時間以内)

術後出血は、手術していた場所から、出血する事です

生命に直結する理由から危険度が高く、特に開腹術を行った患者ではリスクが上がります

ここのアセスメント母性でも使えます。

でも、どんなことみればええんやろ?

ドレーンの廃液やガーゼの汚染とバイタルサインに要注意やで

術後出血は、出血性ショックです。特に脈拍数の増加と血圧の低下を観察します。

ショックの5pも見ておくといいと思います。

ショックの5P
・蒼白    (pallor)
・冷汗    (perspiration)
・虚脱    (prostration)
・脈拍不触  (pulselessness)
・ 呼吸不全  (pulmonary insufficiency)

そして、状態も安定していないので、こまめなバイタルサインの測定を行います。

例:術後・5分後・10分後・30分後・1時間後・2時間後・適宜

心電図モニターでも、不整脈が起きていないか心拍数が早くないかなど観察してください。

ドレーンの観察

ドレーンの廃液も要注意です。もし、ドレーンの廃液が増えた時など出血を疑います。

逆に、少なくなったらドレーンが抜けたのではないか、詰まったのでないかと考えます。

また、廃液量は体のinoutバランスを見るために必要な観察項目なので、見てください。

その為、ドレーンも必ず観察するようにしましょう。

ガーゼも出血が広がっていないかないか観察です

観察項目 廃液量・性状・長さ・沈殿物など。

術後感染 術後48時間以内

術後感染は、手術の創からの感染です。

これも、手術分野や手術の大きさなどでも変化していきます。

分野とか、大きさでリスクかわるの?

手術する場所が大きいと感染しやすいし、腸とか菌が多いで要注意や。

いつまで、感染のリスクってあるん?

ムーアの分類でみると、大体2日以内や

ムーアの分類でみると手術した場所は、2日で閉じるといわれてます。

僕も、最初に勉強した時に衝撃でした。

なので、手術したあと2日後にシャワー浴びても傷には入ってこないんです。

なので、創部感染しやすいのは、約2日以内となります。

観察項目 創部の腫脹・熱感・痛み・バイタルサインの体温や脈拍数
術後の発熱も生理的な変化であり得るので、術後感染と混在しないようにしてください。

 

 

 

 

血液データーとみて、白血球数とCRPもみて判断してください

縫合不全  術後1週間前後

縫合不全は、手術した場所が完全に閉鎖せず、中の臓器や血液が出てくることです

手術分野で、負担のかかりやすい部位で起こりやすく、消化器系でリスクが高くなります。

大腸などだと腹膜炎になりやすいから、注意です

以上が超急性期のアセスメントの基本のコツです。ぜひ参考にしてください。

術式の違い

さて、ここからは術式の違いについて話していきます。

大きく、術式は開腹術と腹腔鏡下術に分けられることが多いです。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

開腹術 (王道です)

開腹術はその名の通り、腹部を切る術式です。

古くからされてきた術式で、今でも多くされています。

一般的に帝王切開でも使われる術式です。

腹部を切る分身体侵襲も大きいです。

メリット
手術者は、腹部を切ることで部位を見やすくなります。
その為、出血などがあっても、すぐに対応することが出来ます。
金額の面でも腹腔鏡手術と比べて手術費用が安く済むことも多いです。
デメリット
腹部を切る分、身体に対して負担は大きいです。
また、空気に触れるので感染や臓器の負担も大きく、臓器が癒着する時に不具合を生じる事もあります。
痛みも強く出る事も多く、患者に対して苦痛な時も多いです。

腸閉塞も起こりやすく、腹腔鏡下よりも負担が多い分
経過は長くなりやすいから、早期離床が大切!

腹腔鏡下術 (最近の主流)

最近は腹腔鏡下術が多くされてます。

腹部に小さい穴を何個か開け、その穴から手術に使う器具を入れます。

おなかに炭酸ガスを入れて膨らませ、内視鏡を穴から入れてモニターでみながら手術を行います。

その良さは何といっても身体侵襲が少なく経過が早いです。

メリット
開腹術に比べて、おなかを切るわけではないので侵襲が少なく痛みが出にくいです。
患者にも、侵襲が少ないので、離床も早くなることが多く早期退院に繋がります。
デメリット
内視鏡が繊細な分手術する人の技量が必要になります。
お腹に炭酸ガスを入れるので、腹部の圧迫や消化器系の影響や皮下気腫ができやすくなります。

また、開腹術に比べてお金も高くなりやすいです。

 

実習の中で一番見ると思います。経過が早い分

アセスメントは早く、そして退院支援に繋げましょう。

麻酔の違い

次は麻酔の違いについてお話していきます。

麻酔は、手術でする時には主に全身麻酔・くも膜下麻酔・硬膜外麻酔が主流です。

大きな手術でない場合、局所麻酔もあります。

全身麻酔

麻酔を吸入することで、全身に麻酔をかけます。

麻酔が全身に関わる為、腸の動きや意識レベルも注意してみてください。

麻酔がかかっている時には、呼吸抑制がかかるので、人工呼吸器を使用します。

筋肉も弛緩するので、その間は同一体位による褥瘡も要注意です。

 

呼吸状態は良く観察してください

クモ膜下麻酔

クモ膜下麻酔は背中から麻酔をします。

主に下半身の麻酔をするので、意識はあります。

主に麻酔は3~4時間ほど効果があることが多いです。

頭痛が起きる事も麻酔の副作用でありますし、下半身の麻酔の効き具合も観察が必要です。

ベッドの上げ下げで麻酔の効く部位が変わるから、

安静度は、医師の指示に従ってください。

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔も同じく背中から麻酔をします。

主に下半身に対しての手術に使うことが多いです。

腎臓系や泌尿器系に使う事が多い手術です。
麻酔は、針を残している事も多くその後も痛み止めとして使う事も多いので、痛みの具合やルートの観察も必要です。
全身麻酔にも硬膜麻酔・くも膜下麻酔は併用して使うことがあります。
全身麻酔なら呼吸抑制や、消化器系の観察。
くも膜・硬膜外麻酔ならば頭痛や下半身の麻酔域を注意してください。

既往歴・現病歴

 

一番大切なアセスメントの視点です。
患者は手術を受ける部位が腸の部位だとします。
そしたら腸の機能の低下が必ず起こりえます
腸の機能は消化・吸収能力なので、便秘になったり下痢にもなったり栄養状態の低下にもつながるでしょう。
さて、それだけではありません。そこに関わってくるのが、既往歴です。
既往歴に、糖尿病の患者であったらどうでしょうか。
どのようなリスクがありますか?考えてみましょう。
糖尿病は血糖値が上がることで、感染リスクが上がりやすいです。
そして、傷の治りも遅いことから創傷治癒過程の遅延をもたらします。
もしそれが、開腹術だった場合さらに、感染のリスク、経過も長くなることが予測されます。

高齢者だった場合は、さらなる遅延の可能性があります

手術はいろんな要素が複雑に絡まってます

現病歴だけではなく、既往歴も大きく術後の経過に、影響するので必ずアセスメントしてください。

まとめ

簡単でしたが僕の手術のアセスメントのコツをまとめてみました。

とても経過が早く、複雑な要素が絡まります。

その中でも、

・超急性期の基本(術後出血・縫合不全・術後感染)
・術式の違い(開腹術・腹腔鏡手術)
・麻酔の副作用(全身麻酔・硬膜外麻酔)
・既往歴・現病歴の解剖生理
の項目に沿ってアセスメントのするとまとまりやすいです。
解剖学などはここでは特に重要になります。
公式lineでは、実習のコツや解剖学の勉強方法など教えているので
気軽にlineください。無料ファイルも配布してます。
下記にリンクも張ってます。

読んで頂きありがとうございました。

 

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