【基本を押さえよう】分かりやすいヘンダーソンの14の基本的ニーズについて

アセスメント系

こんにちは

看護学生アドバイザーのかずです。

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ぜひ読んでください!

皆さん看護理論は何を使用されていましたか?

筆者は「ロイ」の看護理論でした。

ちなみに実習先や就職先はゴードンやヘンダーソンだったので

勉強しなおしていたのは良い思い出です(笑)

ということで今回はサポート生徒の要望が多かった

「ヘンダーソンの14項目の基本的ニーズ」について

分かりやすく解説していきたいと思います。

ヘンダーソンとはどんな人物

目次

ヘンダーソンは有名な看護理論家です。

ヴァージニア・ヘンダーソンは簡単に言うとアメリカの看護理論家で

指導者としてフローレンス・ナイチンゲール次いで

有名なすごい人です。

看護理論とは何?

看護理論とは、簡潔に言うと看護の見方や考え方をまとめたものです。

看護理論を用いることで新人や学生も理論に沿って考え、観察できるので

多くの看護師がより良いケアを実践できるようになります。

ヘンダーソンの14項目の基本的ニーズとは

ヘンダーソンさんの著書で「看護の基礎となるもの」のなかで

人の基本的欲求と基本的看護の構成要素を14項目にまとめたものを

ヘンダーソンの14項目の基本的ニーズと言っています。

項目は以下の通りです。

ヘンダーソンの14項目の基本的ニーズ
①正常に呼吸する。
➁適切に飲食する。
③あらゆる排泄経路から排泄する。
④身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する。(歩く、座る、寝る、これらのうちのあるものを他のものへ換える。)
⑤睡眠と休息をとる
⑥適当な衣類を選び、着脱する。
⑦衣類の調節と環境の調整により、体温を生理的範囲内に維持する。
⑧身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する。
⑨環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする。
⑩自分の感情、欲求、恐怖あるいは“気分”を表現して他者とのコミュニケーションをもつ。
⑪自分の信仰に従って礼拝する。
⑫達成感をもたらすような仕事をする。
⑬遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する。
⑭正常”な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる。

以上がヘンダーソンさんが挙げている14項目です。

これから事例を踏まえて一つひとつ解説していきたいと思います。

14項目の基本的ニーズについての解説

①正常に呼吸する。

アセスメントの重要な視点

①ガス交換が正常に行われているのか

②安楽に呼吸ができるいるのか

押さえておきたい観察項目

呼吸数、肺雑音、呼吸機能、経皮的酸素飽和度、胸部レントゲン、呼吸苦、息切れ、咳、痰喫煙歴、アレルギー、自宅周辺の大気環境

記載例

S)酸素つけてないとしんどいわ。

O)呼吸数24回/分、SpO2 87%、労作時呼吸苦あり。

O)5年前に肺気腫の診断を受け1年前より在宅酸素療法中。

➁適切に飲食する。

アセスメントの重要な視点

①必要な栄養が取れているのか

②楽しく食べ、満足感が患者さんにあるか

押さえておきたい観察項目

自宅/療養環境での食事(水分含む)摂取量、摂取方法、嗜好品、アレルギー、身長、体重、BMI、必要栄養量、身体活動レベル、食欲、嚥下機能、口腔内の状態、嘔吐、吐気、血液データ(TP、Alb、Hb、TG)

記載例

S)お肉や揚げ物が好きでよく食べていました。野菜はあまり好きじゃありません。
O)HbA1c14.3、BMI30.2、血糖241㎎/dl

O)一人暮らしで外食やお弁当の購入での食事が多かったとのこと。

③あらゆる排泄経路から排泄する。

アセスメントの重要な視点

①正常な排泄であるのか

②尿意・便意があるのか

押さえておきたい観察項目

排泄回数、性状、量、尿意、便意、発汗、in-outバランス、食事、水分摂取状況、麻痺の有無、腹部膨満、腸蠕動音、血液データ(BUN、Cr、GFR)

記載例

S)水分は普段あまり水分は取りません。
O)1日の水分摂取量約600ml。排尿回数3~4回/日、濃縮尿であるが混濁なし。

④身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する。(歩く、座る、寝る、これらのうちのあるものを他のものへ換える。)

アセスメントの重要な視点

①歩行、立つ、座る、眠るなどの姿勢が適切であるのか

②良肢位のとり方を患者が理解しているのか

押さえておきたい観察項目

ADL、麻痺、骨折の有無、安静度、MMT、ドレーン、点滴の有無、生活習慣、認知機能、呼吸機能

記載例

S)ごはんを食べるとき姿勢がどうしても傾いてしまいます。

O)体位枕を傾く方向へ入れるとベッド上で座位保持できる。

⑤睡眠と休息をとる。

アセスメントの重要な視点

①休息や睡眠が十分にとれているのか

②ストレスや緊張感は感じていないのか

押さえておきたい観察項目

自宅/療養環境での睡眠時間、パターン、疼痛、掻痒感の有無、入眠剤の有無、疲労の状態、療養環境への適応状況、安静度、騒音の有無、ストレス状況

記載例

S)7時間は眠れているかな。背中がかゆく寝付けないことがある。
O)鎮痒剤を背中に塗布すると入眠障害なく入眠される。

⑥適当な衣類を選び、着脱する。

アセスメントの重要な視点

①患者にあった衣類を着れているのか

②きちんと身だしなみが整えられているのか

押さえておきたい観察項目

AOL、運動機能、認知機能傷害の有無、麻痺の有無、活動意欲、点滴、ルート類の有無、発熱、吐気、倦怠感

記載例

S)麻痺側の腕は着にくい
O)右上下肢麻痺あり。全介助で寝衣交換実施した。

⑦衣類の調節と環境の調整により、体温を生理的範囲内に維持する。

アセスメントの重要な視点

①体温が生理的範囲内で正常であるのか

②患者自身が体温調節に努めることができているのか

押さえておきたい観察項目

体温を生理的範囲内に維持するバイタルサイン、療養環境の温度、湿度、空調状況、発熱の有無、感染症の有無、ADL、血液データ(WBC、CRP)

記載例

S)この部屋熱いわ
O)BT37.1℃。顔面紅潮・発汗あり。エアコンで室温28℃

⑧身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する。

アセスメントの重要な視点

①皮膚や粘膜が清潔になっているのか

②身だしなみは整っているのか

押さえておきたい観察項目

自宅/療養環境での入浴回数、方法、ADL、麻痺の有無、爪、鼻腔、口腔の保清、尿、便失禁の有無

記載例

A)夜間はポータブルにて排泄。夜間尿失禁あり。

O)右半身に麻痺あり。自宅では夫が週3回スライダーを使い入浴介助をしていた。

⑨環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする。

アセスメントの重要な視点

①自分自身で環境を自由に調節することはできるのか

②患者周囲に危険なものはないのか

③他人に危険をあたえることはないのか

押さえておきたい観察項目

自宅/療養環境での危険箇所(段差、ルート類)の理解、認知機能、術後せん妄の有無、皮膚損傷の有無、感染予防対策(手洗い、面会制限)、血液データ(WBC、CRP)

記載例

S)早く家に帰らないといけないの
O)ベッド柵から乗り越えて病室から出ようとしている。説明しても「家に帰らないと」と納得されない。

⑩自分の感情、欲求、恐怖あるいは“気分”を表現して他者とのコミュニケーションをもつ。

アセスメントの重要な視点

①自分の欲求、興味、希望などを十分に表現できるのか

②まわりの人々に患者自身を理解してもらえるのか

押さえておきたい観察項目

表情、言動、性格、家族/医療者との関係性、言語障害の有無、視力、聴力、認知機能、メガネ、補聴器等の有無、脈拍数、呼吸数、面会者の来訪の有無

記載例

O)文字盤にて「ありがとう」と指で刺される。

O)文字盤を使用すれば看護師との会話は可能。

⑪自分の信仰に従って礼拝する。

アセスメントの重要な視点

①患者自身が宗教を信仰しているのか
②患者ゆずれない価値観や信念はあるのか

押さえておきたい観察項目

信仰の有無、価値観、信念、信仰による食事、治療法の制限

記載例

S)牛肉は宗教で食べてはいけないことになってます。

⑫達成感をもたらすような仕事をする。

アセスメントの重要な視点

①身体的・精神的に達成感を得られる仕事ができているのか

②自分が社会に受け入れられているという満足感があるあるのか

押さえておきたい観察項目

職業、社会的役割、入院、疾患が仕事/役割に与える影響

記載例

O)仕事は先生をしていて、生徒の笑顔を見ることを楽しみにしている。

⑬遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する。

アセスメントの重要な視点

①遊びを通したコミュニケーションによる満足感の獲得ができるのか

押さえておきたい観察項目

趣味、休日の過ごし方、余暇活動、入院、療養中の気分転換方法、運動機能障害、認知機能、ADL

記載例

S)編み物が脳梗塞が起こる前は得意だったんだけど今は無理ね。

⑭正常”な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる。

アセスメントの重要な視点

①回復に向けての学習意欲や能力を持っているのか

②患者自身が治療上の指示を守ることができるか

押さえておきたい観察項目

発達段階、疾患、治療方法の理解、学習意欲、認知機能、学習機会への家族の参加度合い

記載例

S)先生の話は難しかったけど看護師さんが補足してくれたおかげで分かったよ。
O)主治医の説明は妻と娘が聞きに来院した。

最後に

以上がヘンダーソンの14項目です。

実習中参考になれば幸いです。

看護モデルについては学生時代はあまり深く考えていませんでしたが

看護師として使用していると、看護において大切なものでした。

学生の皆さんも仕事につけば気付く時が来ると思います。

今回は実習の参考できる程度に簡易的にまとめました。

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