【看護師必見】初めての看護研究で失敗しない!基本の「き」から実践のコツまで徹底解説
こんにちは、看護学生アドバイザーのかずです!今回は「看護研究」について詳しく解説していきます。「研究担当になっちゃった…」「そもそも何からはじめればいいの?」そんな悩みを抱えている看護師さんのために、基本から実践のコツまで徹底的に解説していくよ!

なぜ看護研究が必要なの?その意義と重要性
まず押さえておきたいのは、なぜ看護研究が必要なのか、という点です。看護研究は単なる業務や義務ではなく、看護の質を向上させ、患者さんのケアを改善するための重要な活動なんです。
看護研究の意義
- 根拠に基づいた看護(EBN:Evidence Based Nursing)の実践
- 日々の看護ケアの質の向上
- 患者さんのQOL(生活の質)の改善
- 看護師自身の専門性や実践能力の向上
- 看護学の発展への貢献


看護研究の基本的な流れ
看護研究は以下のような流れで進めていきます。一つずつ解説していきますね。
- 研究テーマの決定
- 文献検索・先行研究の調査
- 研究計画書の作成
- 倫理審査の申請(必要な場合)
- データ収集
- データ分析
- 研究結果のまとめ
- 発表・論文作成

おすすめの看護研究関連の本
看護研究を進める上で参考になる書籍をいくつか紹介します。特に初めて研究に取り組む方におすすめなのが、こちらの一冊です。
「看護の現場ですぐに役立つ 看護研究のポイント」は、研究担当になって「どうしよう…」と思っている看護師さんにぴったりの一冊です。テーマの決め方から研究計画書の作成方法、発表のコツまで、図やイラストを交えてわかりやすく解説されています。特に研究計画書の書き方とデータ分析の方法が実践的で役立ちます。

この本を読むと、「研究って難しい」というイメージが変わり、具体的にどう進めればいいのかがわかるようになります。研究の流れがイメージできるだけで、不安が軽減されること間違いなしです!
研究テーマの見つけ方 〜悩みの種が研究の芽に〜
看護研究で最初の難関が「テーマ選び」です。良いテーマを選ぶことが研究成功の鍵となります。
効果的な研究テーマの条件
- 臨床現場の実際の課題や疑問から生まれている
- 実施可能な範囲である(時間・人員・設備など)
- 患者や医療者にとって意義がある
- 具体的で明確である
- 自分自身が興味・関心を持てる
テーマ選びに悩んだら、以下のような視点から考えてみましょう:

1. 日々の業務から生まれる疑問を大切に
「なぜこの処置はこうするのだろう?」「このケアの方法、もっと良い方法はないだろうか?」など、日々の業務の中で感じる疑問や違和感が研究テーマになります。
2. 患者さんの声に耳を傾ける
患者さんや家族からの質問や要望、困りごとなども研究テーマになります。「入院中の不安を軽減する方法は?」「退院後の生活に対する患者教育の効果は?」など。
3. 自分の病棟・部署の特性を活かす
勤務している部署特有の課題や強みを研究テーマにすると、より実践的な研究になります。例えば療養病棟なら「長期入院患者のQOL向上の取り組み」「療養病棟における口腔ケアの効果」などが考えられます。


看護研究の種類と特徴
看護研究にはいくつかの種類があります。自分の研究テーマに合った研究方法を選ぶことが重要です。
研究の種類 | 特徴 | 向いているテーマ例 |
---|---|---|
量的研究 | 数値データを使って分析する研究 統計的手法で客観的に検証する |
・特定のケア方法の効果測定 ・患者満足度調査 ・二つの要因の相関関係 |
質的研究 | インタビューや観察などから得た質的データを分析 人の経験や感情、行動の意味を理解する |
・患者の病気体験の理解 ・看護師のバーンアウト体験 ・患者家族の心理過程 |
事例研究 | 特定の事例(患者や状況)を詳細に分析 特定の状況における看護実践を深く理解する |
・特定の難病患者への看護介入 ・ターミナル期の患者ケア ・特殊な合併症を持つ患者の管理 |
実践研究 | 現場の問題解決を目的とした研究 実践を改善するための取り組みとその評価 |
・転倒予防プログラムの効果 ・新しい申し送り方法の導入 ・職場環境改善の取り組み |
文献研究 | 既存の文献を系統的に調査・分析 特定のテーマに関する知見を整理する |
・特定の看護技術の変遷 ・疾患別の看護介入の動向 ・海外の看護実践との比較 |


研究計画書の作成 〜成功の設計図〜
テーマが決まったら、次は研究計画書を作成します。これは研究の設計図となるもので、しっかりと作成することで研究全体がスムーズに進みます。
研究計画書に含める主な項目
- 研究タイトル
- 研究の背景と目的
- 研究方法(対象、期間、データ収集方法、分析方法など)
- 倫理的配慮
- 予想される結果と意義
- 研究スケジュール
- 必要な予算・設備


データ収集と分析のコツ
研究計画に基づいてデータを収集し、分析していきます。ここでは初心者でも実践しやすい方法をいくつか紹介します。
1. アンケート調査のポイント
- 質問は明確かつ簡潔に:曖昧な表現や専門用語は避ける
- 回答のしやすさを考慮:選択肢は網羅的かつ排他的に
- プレテスト(予備調査)を実施:少人数に試してもらい改善する
- 回収率を高める工夫:目的を明確に伝え、簡潔なアンケートにする
2. 観察調査のポイント
- 観察項目を明確にする:何をどのように観察するかを決める
- チェックリストを活用:見落としを防ぐ
- 観察バイアスに注意:主観が入らないよう留意する
3. データ分析の基本
収集したデータは、目的に合わせて適切に分析します。
- 単純集計:基本的な統計量(平均値、中央値、最頻値など)
- クロス集計:二つの項目の関連性を調べる
- グラフ化:視覚的に分かりやすく表現する
- 統計的検定:差や関連性の統計的有意性を確認する(t検定、カイ二乗検定など)

時間がない看護師のための研究の進め方
忙しい臨床現場で研究を進めるには、効率的な時間管理と周囲の協力が不可欠です。
時間を効率的に使うコツ
- 小さな単位に分ける:一度にすべてをやろうとせず、15〜30分でできる作業に分ける
- 優先順位をつける:締切に近いものから着手する
- 隙間時間を活用:通勤時間や休憩時間を利用する
- チームで分担:役割分担して効率よく進める
- 定期的な進捗確認:月1回など定期的に進み具合を確認する

看護研究でよくある失敗とその対策
初めての看護研究では様々な困難にぶつかることがあります。よくある失敗とその対策を知っておくと、スムーズに研究を進められます。
よくある失敗 | 対策 |
---|---|
テーマが広すぎる | 「〜について」ではなく、具体的な問いを立てる 対象や条件を限定して焦点を絞る |
研究計画が曖昧 | 計画書は詳細に作成し、第三者にチェックしてもらう 実現可能なスケジュールを立てる |
先行研究の調査不足 | 文献検索をしっかり行い、すでに明らかになっていることを把握する 図書館司書や経験者に検索方法を相談する |
データ数が少なすぎる | 事前に必要なサンプル数を計算する 回収率を想定して多めに配布する |
研究途中で挫折 | チームで進める、助言者を見つける 小さな目標を設定し、達成感を味わいながら進める |
倫理的配慮の不足 | 研究開始前に倫理審査を受ける 対象者への説明と同意取得を徹底する |

職場で研究担当になったとき、「やりたくない…」と思うのは自然なことです。でも、その研究が誰かの役に立つかもしれないと思えば、少し気持ちも変わるのではないでしょうか。一歩踏み出す勇気を持って、看護研究の世界に飛び込んでみましょう!
看護研究について、さらに詳しく知りたい方、具体的な相談をしたい方は、Nurse Path+の公式LINEまでお気軽にご連絡ください。研究テーマの選び方から発表までサポートいたします!
看護研究の新しい視点:スタッフのQOLにも目を向ける
看護研究というと「患者さんのため」という視点が強調されますが、実は看護師自身の健康やQOLに目を向けた研究も非常に重要です。

またわからないことがあったら連絡してきてください。皆さんのサポートをします!
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