【現役看護師が教える】実習のアセスメントのコツ~老年看護学編~

アセスメント系

こんにちは、かずです。

今日は、人気のアセスメント編です。

アセスメント編他にもあるので、ぜひみてみてください。

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人気シリーズなので、今度まとめてみます。

実習の中で、老年看護に当たることが多いと

思います。その中で抑えてほしいポイントを

まとめてみました。

今回も、看護師のヤマさんに

書いてもらいます。

では、ヤマさんお願いします。

こんにちは、ヤマです。

今回は要望の多かった老年実習アセスメントのコツについて

解説していきたいと思います。

筆者自身は老年領域に実際働いているので

実習の体験を元に解説していきたいと思います。

老年期の特徴

身体的特徴

・老年期とは65歳以上の人のことをいう。

・老化には生理的老化病的老化がある。

生理的老化:年を取ると誰もが起こりうるもの。

具体例:記憶力の低下や筋力低下など

病的老化:老化が著しく早くなって病的状態になってしまうこと

具体例:骨粗鬆症、アルツハイマー病

高齢者の重要な身体機能の変化一覧

運動機能

見た目 白髪の増加、脱毛、しわ・しみ・たるみ
筋力 下肢筋力の方が筋力が低下しやすい
バランス感覚 内耳器官の機能低下などで転倒しやすくなる。
柔軟性 靱帯や腱の弾力性が低下により柔軟性が低下する。
歩行機能 歩行速度の低下が起こる。(すり足歩行、歩幅の縮小などのため)


感覚機能


視覚 水晶体の弾力低下や毛様体筋の萎縮による老視。視野狭窄、色覚の低下、暗順応の低下
聴覚 老人性難聴を生じる。高い音が聞き取りづらくなる。
味覚 様々な味覚の機能低下
嗅覚 においの識別は難しくなる。
皮膚感覚 痛覚・触覚・温度覚などの皮膚感覚の低下。

この、表は実習にめっちゃ使えます。

精神的な変化

流動性知能は加齢とともに低下していくが結晶性知能は緩やかに低下する。

流動性知能:新しいものを学習したり覚えたりするような、経験の影響を受けるこ とが少ない、むしろ生まれながらもっている能力に左右される知能。

30歳がピークで60歳ごろから低下

具体例:これまで習ったことのない図形の問題を解いたり、新しい事業を立ち上げるアイデアなど

結晶性知能:個人が長年にわたる経験、教育や学習などから獲得していく知能。言語能力、理解力、洞察力などを含む。

60歳がピークで緩やかに低下

具体例:長年行っていた料理方法や趣味など

社会的機能の変化

経済力の変化:収入の減少、年金に移行

家庭内の役割変化:孫の誕生や配偶者の死別、子の独立など

高齢となり仕事を退職したり、死別による環境・人間関係の変化がある。

老年看護で大切なポイント

1人生の先輩ということを意識して尊重した態度・言葉かけを心がける。

これは看護学生に限らず看護師スタッフの中にも「○○するよ」とか同年齢

ぐらいの人に接するコミュニケーションを行ってしまう場合があります。

しかしその背景には今までの関わりで信頼あってのものですし、

患者さんの中には「敬語なんて使わんくてよい」と言われる方がいたりするため

使用していることもあります。

必ず敬語を使わなければならないわけではないですが基本的には

人生の先輩という意識をもって老年期の患者さんには

コミュニケーションをとりましょう。

特に看護学生がやってしまいがちな発言は

「おばあちゃん〇〇しましょうね」

おばあちゃんって失礼‼

患者さんはあなたのおばあちゃんではありません。

しっかりと名前で呼びましょう。

僕も時々してしまいます・・・

気をつけます。

2対象の高齢者の生活史を情報収集しケアに生かしていく。

老年期の患者さんで特に難しいのはコミュニケーションです。

なぜなら同年代なら話も合わせやすいと思いますが、

何十年も離れている方であると話も普通のコミュニケーションでは難しいです。

まずは患者さんの若かった時代に流行していた歌や人物などから会話のきっかけを

作ってみると良いと思います。

また家族の方がおられる場合は面会時にどんな仕事をしていたか、

嗜好品や趣味など生活史を聴取してみましょう。

聴取した情報をきっかけにコミュニケーションをとるようにすると

スムーズなコミュニケーションにつながりやすいのでぜひ試してみてください。

3高齢者は「病気と共存」という意識をもってアセスメントを行う。

老年期の患者さんは成人期の患者さんと違い疾患の治癒が困難であったり、

増悪と寛解を繰り返すような疾患をお持ちの方もいます。

老年期の患者さんでは疾患の治癒を目指すのではなく、

病気との共存、身体機能の維持、予防を優先する必要があります。

高齢者の特徴や役割を整理した上で、

総合的にアセスメントして関わることが大切です。

老年期のアセスメント

ここから、特に実践編になっていきます。

こころしてかかって下さい。

それぞれの、領域ごとのアセスメントを紹介しているので、

ぜひ、参考にしてみて下さい。

1食生活について

老年期の患者さんは食事摂取量が減少して低栄養状態になりやすいです。

そのためエネルギーとタンパク質を十分に摂取する必要があります。

高齢者の方のむくみが多いのも

低栄養状態が関係しています。

また嚥下に関わる筋力の低下や歯の喪失などによって嚥下機能の低下が老年期の患者さんには起こりやすいです。

食べにくそうにしていたり、ムセがみられる場合は食形態の変更やポジショニング

調整、義歯の装着がしっかりと出来ているか、とろみの調整などをアセスメントして

検討してみましょう。

2排泄について

老年の患者さんは筋力低下や疾患などにより一人ひとりADLが違います。

大事なポイントは可能な限り自立を目指して適切な排泄器具を選択することが

重要になってきます。

例えばトイレまでは歩行できないが介助でベッドから下りられる方であればポータブルを選択する。

オムツを使用している患者さんでは尿路感染症や皮膚トラブルなどを起こしやすいので注意しましょう。

3活動休息

老年期の患者さんの睡眠は眠りが浅く、目覚めが早くなります。

そのため不眠や睡眠障害がみられやすくなります。

老年期の患者さんにとって運動することによって筋力維持は

もちろんバランス感覚を養うこともできるため、転倒事故の防止にも繋がります。

また運動は認知症予防にも効果的だといわれています。

4廃用症候群について

廃用症候群とは長期間寝たきり状態になったり、活動性が低下した状態によって起こる臓器・精神活動の機能低下のことです。

廃用症候群の特徴

認知機能の低下や抑うつ傾向になりやすい、見当識障害
心臓 起立性低血圧、血栓塞栓症、浮腫
誤嚥性肺炎、低酸素血症
消化管 便秘、体重減少、食欲減退、脱水
関節拘縮、骨粗鬆症
関節・筋肉 筋萎縮、筋力低下

5皮膚疾患の特徴

老年期の患者さんの皮膚は非薄・脆弱化により、褥瘡になりやすい。

また汗腺・皮脂の減少により、保湿因子などが減少して特に多くみられるのが

老人性皮膚掻痒症です。

老人性掻痒症:加齢にともない皮膚が乾燥し、強い痒みが全身にあらわれるという皮膚疾患の一つです。

保湿・加温を意識してケアを行っていきましょう。また木綿製の下着など、できるだけ肌にやさしい素材で刺激を与えないようにすることも効果的です。

乾燥しやすいので、ワセリンで

皮膚の保護など行います。

6薬について

老年期の患者さんは腎機能の低下や肝機能の低下により薬物の代謝・排泄機能が低下します。

また中毒症状や副作用が起きやすいですが自覚症状が表れにくいので注意してください。

老年期の患者さんは複数の医療機関を受診していることもあるので薬の内容や服薬状況を

情報収集し確認しましょう。

加齢性変化について

高齢者のアセスメントで特に大切なのが、

加齢性変化についてです。

序盤で述べていた、使える表のことです。

運動機能

見た目 白髪の増加、脱毛、しわ・しみ・たるみ
筋力 下肢筋力の方が筋力が低下しやすい
バランス感覚 内耳器官の機能低下などで転倒しやすくなる。
柔軟性 靱帯や腱の弾力性が低下により柔軟性が低下する。
歩行機能 歩行速度の低下が起こる。(すり足歩行、歩幅の縮小などのため)


感覚機能


視覚 水晶体の弾力低下や毛様体筋の萎縮による老視。視野狭窄、色覚の低下、暗順応の低下
聴覚 老人性難聴を生じる。高い音が聞き取りづらくなる。
味覚 様々な味覚の機能低下
嗅覚 においの識別は難しくなる。
皮膚感覚 痛覚・触覚・温度覚などの皮膚感覚の低下。
例えば、高齢者の慢性心不全がおきやすいのはなんででしょう??
おそらく、実習でも看護師や
実習担当者にもこのような類の
質問も受けた人もいると思います。
ここから、加齢性変化をふまえた
アセスメントです。

僕の、考えなので

あくまで参考程度に・・

(知っている人、いもづるです。)

高齢者の心臓は、

僕達の心臓と比較し、より多くの時間

動いてきています。

 

実際、みなさんも長い時間働いたらしんどいと思います。

僕も仕事が残業続きだと吐きそうなります

なので、高齢者の心臓は疲れやすい状況にあります。

 

加齢性変化を踏まえるならば、

高齢者は、加齢性変化によって

心臓の機能低下がおきます。

 

なので、高齢者は加齢性変化により

心臓のポンプ機能が低下しているので、

慢性心不全を引き起こしやすい可能性があります。

簡単でしたが、参考までに!!

加齢性変化この言葉とアセスメントが老年看護実習で

 

重要視されます。

あとは、できればハヴィガーストの

発達段階の絶望VS統合=英知の

アセスメントも加えると

実習担当者にも

この子・・・できる。。

ってなるかも・・です。

まとめ(感想も交えて)

今回は老年期のアセスメントについて説明しました。
この超高齢化社会の世の中では老年期の患者さんと
関わる機会は多いと思います。
出来るだけ実習で関係しそうな項目に厳選しました。
老年期の患者さんと学生の方が特に困惑されるのは
コミュニケーションについてが圧倒的に多いです。
自身も困惑することが多かったです。大切なのはかかわり方が
上手くいかなかったり、上手くいったのはなぜなのかを
プロセスレコードなどで振り返り客観的な意見をもらい振り返ることです。
ぜひ参考にしてみてください。

老年期系の本もあげておきます。

良ければ、参考にしてみて下さい。


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