【看護師なら知っておきたい】発熱時の対応について

実習

どうも看護アドバイザーかずです。

今日は一緒にやっている看護師のヤマさんに

発熱のことについて書いてもらおうと思います。

皆さんは、なぜ熱が出るか知ってますか??

このことが分かっていない方、

是非、解熱剤を使用する理由なども

分かると思うので、ぜひ読んでみてください。

では、ヤマさんお願いします。

こんにちはヤマです。

今回は新人看護師が押さえておいてほしい

「発熱時の対応」について

お話したいと思います。

 

新人の時は

「熱が出たらとりあえずクーリング・解熱剤を使用しよう」

と浅い考えでした。

 

そんなとき先輩看護師に

「シバリングしているのにまだクーリングはしない方がよい」

と言われて驚いたのを覚えています。

ではなぜなのかは詳しく説明していきます。

みなさんもぜひ考えてみてください。

 

 

発熱のメカニズム

発熱のメカニズムは、下記の通りです。

1細菌やウイルスなどが体内へ侵入する。
2白血球・マクロファージがサイトカインを放出する。
3サイトカインが視床下部の体温調節中枢に発熱の命令を出す。
4体温が上がる。

以上の流れが発熱のメカニズムです。

サイトカインって??なんですか

サイトカインは簡単にいうと脳の体温を調節する部分に「体温を上げろ」と命令を出す物質です。

発熱の定義と分類

①発熱の定義

日本の感染症法では37.5℃以上が発熱と定義されています。

②発熱の分類

微熱:37.0℃以上~37.5℃未満

発熱:37.5℃以上~38.5℃未満

高熱:38.5℃以上

発熱でのメリット

1発熱によりウイルスや細菌の増殖を抑える。
2白血球の殺菌能・免疫能を高める。

簡単にいうと敵であるウイルス・細菌を熱で弱らせて、自身の味方である白血球と言う戦士を熱でパワーアップさせるイメージです。

発熱にメリットなんてないと思っていた人も

ここで、天地ひっくり返ると思います。

次は、デメリットです。

発熱でのデメリット

1体力を消耗する。
2頭痛・倦怠感などの不快な症状。
3発汗作用による塩分・水分の喪失。
4高熱以上になると命を脅かす危険性がある

 

デメリットの方が多いイメージですね。

でも、熱が上がってこず、

炎症反応も高いのに、熱が出ない時もあります。

それが、高齢者の肺炎などです。

なぜ、熱がでないの??

熱を出す力が残っていない場合などで、

考えれらます。高齢者だけではなく、

衰弱した人になりえます。

 

 

 

セットポイントについて

私たちの体は通常37℃前後に保つように設定されています。

これは脳にある視床下部が設定した温度です。

この温度をセットポイントと言います。

先ほど説明したようにサイトカインによって「体温上げろ」と命令が起こると

脳の視床下部に命令が伝わり「体温上げる命令だ!39℃前後に設定しよう」

脳から身体に指令がいきます。

 

すると、セットポイントは37.0℃前後から39℃前後に

なるように調整されます。

発熱時悪寒旋律(シバリング)はなぜ起こる?

悪寒旋律(シバリング)とは、

身体がブルブル震えたり、

寒さで口がカタカタしたりすることです。

僕も熱が出る前になったことがあります。

皆さん寒いときブルブル震えるときありますよねそれがシバリングです。

ではなぜ発熱して体が熱いのにシバリングが起こるのでしょうか?

順を追って説明します。

シバリングが起こるのは体温を保とうとするときに起こります。

先ほど説明したセットポイントより体温が下回ると

脳から体に「体温をあげろ」と命令が伝わります。

すると、体は熱を作るために筋肉を収縮させたり

動かしたりすることで熱を産みだし

セットポイントまで体温を上げようとします

発熱時シバリングが起こるのはウイルス・細菌を排除するため

熱によってウイルス・細菌を排除するために

脳がセットポイントを上げているのが原因だったのです。

通常37℃前後だった設定がウイルス・細菌を排除するため

セットポイントが上がり

そこに達するために体がシバリングを起こしていたのです。

セットポイントより体温が高くなると

逆にセットポイントより温度が高くなると

脳は体に「体温を下げろ」と命令します。

すると体は皮膚の血管を拡張して熱を逃がしたり、

発汗による気化熱により体温を下げるように働きます。

脳神経系異常の人は、

セットポイントの調整ができない

から、熱が出たりでなかったりします。

シバリング中のクーリングは基本的に行わない

なぜ、シバリングが起きている時に、

クーリングをしたらいけないのか??

 

先ほど述べたようにウイルス・細菌を排除するために

発熱している人に対して

クーリングを行うと

体温上昇させてウイルス・細菌を排除しようと

しているところを邪魔してしまったり

その分熱を生み出すために体への

負荷が増大し余計な体力を消耗してしまいます

そのためシバリング中は熱を作るために寒くて震えているので

温めることが基本になってきます。

震えている患者がいたらまずは、

温めてあげよう!!

下降期に入ったらクーリングを

ウイルス・細菌による発熱は「前兆期」「上昇期」「ピーク期」「下降期」に分かれます。

1.「前兆期」

細菌、ウイルスが侵入し、

血液中にある白血球・マクロファージがこれを発見し、

攻撃をはじめます。

脳が、体温の設定温度を高温にセットします

この時、体温はまだ平熱だがセットポイントの上昇により悪寒やふるえといった症状が出ます。

プールに入って寒いときにもなります。

2.「上昇期」

脳の命令により、体温を設定温度まで上げている過程です。

発熱にエネルギーを使うため、頭痛やだるさを感じ、頭がボーッとした状態になります。

3.「ピーク期」

セットポイントと、実際の体温が一致した状態です。

白血球・マクロファージが活発に活動し、ウイルス・細菌を攻撃します。

4.「下降期」

ウイルス・細菌を退治すると、脳がセットポイントを平熱にセットし直します。

体も命令に従い、体温を下げはじめます。

汗をかきはじめたら、熱が下がりはじめたサインと考えられます。

そのあと、体温は平熱に戻り、発汗も止まります。

クーリングは脳の命令でセットポイントが平熱に設定された時に熱を下げる手助けを行うイメージで行えるように意識してみよう!

 

震えが止まった時に、クーリングです。

終わりに

今回は発熱時の対応について解説してみました。

「こんなの常識やろ」と思う方もいるかもしれませんが

発熱対応は日常で対応しているからこそ

聞きずらいこともあると思います。

そんな方向けに今回記事を書いてみました。

今後人気であれば「知っておきたい」シリーズで書いていこうと

思います。

 

ヤマさんありがとうございました!!

発熱のメカニズムぜひ、勉強していき実践に行かしましょう

 

 

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